箱根山の噴火の可能性:4%、火砕流以上の災害が発生する可能性は0.8%
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2015年4月下旬より箱根山の群発地震が発生している。これを元に、静岡大学の小山教授が過去の噴火と自身の履歴を参考にして、『現在の状況下における噴火の確率を4%と推定。噴火が発生した場合は、水蒸気噴火85%(火砕流・火砕サージを伴う場合は20%)、溶岩ドーム・溶岩流14%、プリニー式噴火1%』としている。すなわち、現在の状況下において、火砕流以上の災害が発生する可能性は0.8%となる。
小山真人研究室ホームページ(箱根火山の火山活動シナリオが原文)

各メディアは過小評価する傾向にある

朝日新聞 『箱根山、噴火せず沈静化の可能性96%』
→ 安全な印象を植えつけるような見出しとなっている。
読売新聞 『箱根山、マグマ噴火の可能性低い・・・東海大教授』
→ 一部分しか捉えていない内容。マグマ噴火の可能性は確かに低いが、噴火した場合における可能性が85%の水蒸気噴火では火砕流が生じる。

墜落の可能性が4%の飛行機に乗るか?

航空機に乗って死亡事故に遭遇する確率は0.0009%(アメリカ国家運輸安全委員会)。墜落の可能性が4%の飛行に乗るかと聞かれたら、誰もがNoと言うだろう。しかし、今災害が予想されるエリアに立ち入ることは、墜落の可能性が4%の飛行機に乗ることと同じである。なお、スペースシャトルの事故率は1.4%であり、箱根山で業務に当たる方は宇宙飛行士よりも災害リスクが高い職業に従事されているといえる。

63名の死者・行方不明者を出した御嶽山の噴火警戒レベルは1だった。

御嶽山の例より、現状の火山予測は必ずしも当てにはならず、いきなりドカンと来る可能性もありうることがわかる。一方の現状の箱根山の噴火警戒レベルは2であり、兆候も出ているため十分に警戒する必要がある。

噴火警戒レベル(気象庁ホームページより)