ガソリン

私の考え

各紙の予想では『現状の原油価格が底打ちであるかは不明であるが、70ドル程度までは上昇する可能性はある。ただし、100ドルを超えるとなるような局面は可能性として低い。』という予測が多くを占める。ただし、現状の価格を誰も予想できなかったことから、上昇も下降も可能性としてはあり得る。
ただし、下記の記事には書かれてはいないが、1990年後半には10数ドル台であったのが一時100ドル以上まで上昇している。これで恩恵を受けているのが中東の産油国であり、彼らの生活水準は間違いなく向上した。このため、再び40~50ドル以下を割り込むことは中東諸国の生活水準を下げることになるため、下限値では40ドル程度が限界ではないかと思う。

アナリスト・新聞社の予想価格

(上昇予想)
2015年NY原油価格見通し 年末70ドルへ、楽天証券(吉田哲氏)
2015年NY原油価格見通し 年末70ドルへ(2015年2月20日)
 米シェールオイル生産量は減少見通し 原油価格年末70ドル予想を継続(2015年5月22日)

原油先物、再び1バレル100ドル超の予想も、日経新聞(2015年3月26日)
→ ごく一部のトレーダーが購入を再開:2018年末までに米原油先物の指標価格が100ドルを超えると行使できるコール(買う権利)のオプション

(中立)
IEAが2015年の原油需要予測を引き上げ、「価格安定は一時的」、ロイター通信(2015年3月13日)
→ IEAによる需要増加の予想がある一方、備蓄余力に近づきつつあることで鈍化することで下げ圧力も

低迷原油価格、回復の芽出るか―減産予想が支え、ウォール・ストリート・ジャーナル(2015年4月1日)
→ 米国の原産拡大の減速により原油価格の転機となる可能性。しかし、備蓄余力に近づきつつあることが原油価格が底打ちしているとは言い切れない。

米シェール、原油価格上昇に制限(英フィナンシャル・タイムズ社説)、日経新聞(2015年5月11日)

 → 米国では掘削活動が近いうちに再び活発化することが原油価格の上昇が限定的となる根本的な原因

なぜ原油価格上昇? シェールオイル減産 過剰感薄まる
→ 記事中で「ドバイ原油の価格はゆるやかに上昇していくが、上がっても一バレル=七〇ドル程度」(出光興産の鷺島敏明執行役員)

JPモルガン:2015年は54ドル、2016年は59ドルと予想

ゴールドマン・サックス:2015年10月までに45ドルに下落と予想

石油元売各社の業績予想前提価格(2015年度)

JXホールディングス ・・・ 60$/bbl(2015年5月)
出光興産 ・・・ 60$/bbl(2015年5月)
コスモ石油 ・・・ 55$/bbl(2015年5月)
昭和シェル石油 ・・・ 53$/bbl(2015年2月)

石油各社の業績予想前提価格まとめ

各社の業績予想を下表の通りまとめてみた。石油元売各社も2014年の下落を予想できていなかったことになる。

石油各社の業績予想前提価格 単位:ドル/バレル
  年度 2010 2010 2011 2011 2012 2012 2013 2013 2014 2014 2015
会社名 決算発表月/指標 予想 実績 予想 実績 予想 実績 予想 実績 予想 実績 予想
JX HD 5月/WTI 80 82 101 109 111 109 105 105 100 88 60
出光興産 5月/WTI 75 84.2 105 110.1 115 107.1 105 104.6 105 83.5 60
コスモ石油 5月/WTI 75 82.17 100 110.87 115 107.1 100 104.6 104 83.5 55
昭和シェル石油 2月/WTI 75 78.1 86 106.3 110 109 106 105.5 103 96.7 53
国際石油開発帝石 5月/ブレント 77.5 87.24 95 114.18 100 110.21 100 107.56 105 84 65