日経新聞2015年6月1日朝刊の1面

『2030年。日本は大企業がゼロの国になるかもしれない。こんな予測が話題だ。景気回復で総法人数は増え始めたが、大企業だけは年約1200社ペースで減っているためだ。法人税法は資本金が1億円超の企業を「大企業」、以下を「中小企業」とする。国税庁統計によると、13年度の大企業数は2万1916社。2年で2464社減った。このペースならあと15年程度で大企業はなくなる ・・・』
同紙面では他に、日本の大企業に対する法人税が高いことを問題点に上げており、先日のシャープの1億円までの減資のことを上げている。

週刊誌と同レベルのタイトル

大変キャッチーな見出し、悪く言えば週刊誌レベルのタイトルであると感じた。日本の大企業が無くなることはまず無い。なぜなら、いくら海外進出しようとしても日本語しか話せない層が一定数(というより大部分)いるから。さらに、資本金の減少は株主の利益を損なう恐れがあるため、安易に減少させることはできない。シャープの例は、99%減資でも潰れて紙くずになるよりかはマシという理論。

統廃合で減った大企業

確かに大企業が減ったのも事実であるが、近年になって業界再編やホールディングス会社への以降にともなう数の減少もある。よって、大企業1社あたりの生産能力は高まっているはずである。よって、大企業の数が減るのは必ずしも悪いことではなく、日本の企業が合理化されている証である。

大企業の法人税は再考する余地がある

ただし、日経新聞がいいたいのは「大企業の法人税を軽減せよ」ということに尽きる。これをこんなにも回りくどく良く書いたものだ。確かに、現状の資本金を元に大企業か中小企業かを分類し、税率負担を変えるのは乱暴である。確かにその通りであり、大企業が日本から逃げていかないようにするためにも、どの大きさの企業も納得できる税負担の仕組みが必要と思う。